“再生”って何よ、それ? 

gakkou.jpg


●今日、何気なくネットでニュースを見ていたらこんな記事が。

<教育改革>「再生会議」が初会合 教員免許更新など検討へ
 政府は18日、安倍政権の最重要課題である教育改革を検討する「教育再生会議」(座長、野依良治・理化学研究所理事長)の初会合を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は冒頭「すべての子どもに高い学力と規範意識を身につける機会を保障するために、公教育の再生や家庭・地域の教育力の再生が重要だ」との方針を示し、教員免許更新制度や学校評価制度の導入の検討を要請した。
 来年1月に中間報告を出し、予算措置が必要なものは来年6月にもまとめる「骨太の方針」に盛り込む。
 首相と17人の委員、伊吹文明文部科学相らが出席した。首相は具体的な検討課題として(1)質の高い教育提供による学力向上(2)規範意識や情操を身につけた美しい人づくり(3)地域ぐるみの教育再生――の3点を提示。その後の討議では、いじめによる生徒の自殺も取り上げられ、義家弘介・横浜市教育委員が「脱落した子を受け入れる仕組みがない」と新たな制度づくりの必要性を強調した。(後略)
【平元英治】(毎日新聞) - 10月18日12時50分更新



いやね、いいんですよ。べつに新内閣が教育に関して改革を行っても。

ていうか、だいたい政権が変わると、かならず教育改革って行われるものだし、こっちは日本では珍しい許認可が一切要らない業界なので、基本的に影響はない。法律がどう変わろうと、ただ教育のメインストリームの歪みを補正するサービスを提供し続けるだけだし。

でもね。「教育再生会議」って名称はどうかと思うんですよねぇ。

だって、「再生」ですよ、「再生」。

「再生」っていうのは辞書で引くとこういう意味です。

さい‐せい【再生】

[名](スル)

1 衰え、または死にかかっていたものが生き返ること。蘇生(そせい)。「汚染していた川がやっと―した」

2 心を改めて正しい生活に入ること。更生。「―の道を歩む」「―の恩人」

3 再びこの世に生まれること。再誕。

4 廃物を加工して、再び同種のものをつくり出すこと。「―テープ」

5 録音・録画したテープやディスクを装置にかけ、もとの音声・画像を出すこと。「ビデオを―する」

6 生体の一部分が失われた場合、その部分が再びつくりだされる現象。トカゲの尾、カニの脚などでみられる。

7 心理学で、過去に学習または経験したものを思い出すこと。→再認

[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]



今回の「教育再生会議」の「再生」は、上のどの意味で使っているんでしょうね。

まあ、おそらく1番の意味を念頭において、この名称を思いついたんだろうけど、今の教育ってそれほど「衰え、または死にかかってい」るんだろうか。

そもそも、「生き返る」ことを目指すということは、昔は健康で健全な教育が行われていたっていうこと?

たしかに、いじめや子供による凶悪犯罪のニュースを聞くと、今の教育が「衰え、または死にかかってい」るような気がするけど、でもそれって現在特有のことなんだろうか?

ボクが中学生の頃は校内暴力が華やかりし(笑)ころで、ボクも更衣室に呼ばれて先輩にボコボコに殴られたり(生意気だったので^^;)、同級生が内臓破裂で入院したり、そりゃあひどいもんだったけど、その時も「今の教育は瀕死の状態だ」って言われてたなあ。

もっと前には「エレキギターを持ってるのは不良」「ビートルズのコンサートに行った者は即、退学」なんて、今では信じられないことを「問題視」して「教育が荒廃している」なんて言っていたし、少年による凶悪犯罪の件数自体は、昭和20年代から30年代の方が今より多かった。

さらに戦前の旧制中学や高校では、「鉄拳制裁」という名の生徒間のいじめは日常茶飯事だったし、いわゆる「問題児」っていうのは、いつの時代にもいたもんです。

そもそも教育(特に公教育)っていうのには、どうしてもその時代に要請される人材を輩出するための「洗脳&適応訓練システム」という側面があるから、そのシステムに馴染まない子や、そのシステムに反抗して、いわゆる反社会的な行動を起こす子は、必ず一定量は存在してしまうものだと思うんですよね。

だから教育というのはつねに何らかの問題を抱えているものだし、本質的に教育システムそれ自体で、「健康」で「健全」なものなどないと思う。結局、教育というのは永遠にシステムの欠陥をフォローし続ける必要があるものだし、そこにボクら塾の存在意義もあるんですよねぇ(^^;)

で、最終的にボクが何を言いたいのかというと、「再生」と名乗らなければならないほど現状をことさら悪く見積もる必要もないし、「再生」してめざすべき「健康」で「健全」な教育システムなど、過去の日本にも現在の他の地域にもない、ということ。そして我々が考えるべきことは、未来において、この日本にどんな人材がどのくらい必要になるのかを現実的、かつ具体的に算定し、それをなるべく生徒を不適応に陥らせないで実現させるためには、どんな教育システムを構築すべきか、ということであり、そのためにも「再生」とか「美しい人」なんていう意味不明の言葉を使うのはやめて、「30年後の日本が国際社会で存在感を発揮するために必要な人材が持つべき資質を考える会」とか、「強制によらない反社会的行動を最小限にくい止めるための教育プログラム開発委員会」とか、なにを話し合う会なのか明確に分かる会を作ろうよ、ということなのです。

えらい長回しのまとめになっちまいましたが、今日はこの辺で(笑)。

ps.冒頭の味のある教室の写真は「列島宝物館」のサイトからピックアップさせていただきました。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://furaibo.blog40.fc2.com/tb.php/121-98ea4735

学力学力(がくりょく)とは、一般に小中学校での学校教育による学習によって得られた能力のことと理解されている。また、それから転じて、学校教育の各教科での個人が持っている能力の水準を指すこともある。数学、理科などは国際的な共通テストにより、各国の子どもの国際
  • [2007/10/01 12:15]
  • URL |
  • 心理学ってすごい? |
  • TOP ▲